============================ ヴァジアルサーガ 〜愚民化戦略〜 ボイスドラマVol.1 【借り物?早口?ヴァジアルサーガ世界一決定戦!】 脚本:鈴丘虎助 ============================ <キャスト>  月人リツキ CV:川上とも子  覇帝ソウリュウ CV:杉山紀彰  ランファン CV:松岡由貴  天帝アイヒミ CV:真堂圭  氷虎デフィス CV:水島大宙 ============================ 回想。 【SE:刀剣の交差音、イメージは合戦】 争うアラナダと京核、龍戒。勢力の差は兵力はソウリュウが圧倒的 (アイヒミ、デフィス、凛々しく) アイヒミ 「陣形七星を取れ。歩兵、騎馬兵は前へ進めい!」 デフィス 「野郎共!遅れをとるんじゃねぇぞ!!俺に続けーっ!!」 (余裕のソウリュウ、二人の神王へ挑発的に) ソウリュウ「天帝アイヒミに氷虎 デフィスか…       俺を覇帝ソウリュウと知ってなお剣を向けたその心意気、後の我が世に広めてやろう!」 リツキナレ「拮抗する時代、それは神歴300年より幕を開けます。       人は長年続く幸福に飽き、剣を取り、そして世界は乱れ始めたのです。       …昼夜広がり続ける戦…上がる鬨(とき)の声。       私、リツキと主のソウリュウ様もまた滅びと再生の世を歩む事となるのです そんな、ある日。誰もが続く戦乱に疲弊する中、ある神王が立ち上がりました」 ランファン「ちょ〜っとまったァ!」 (剣を構え違いに牽制しあっていた3名の間に割り込むランファン) デフィス 「うぉあっ!?お前はランファン!?」 アイヒミ 「な、なんじゃ!」 ソウリュウ「急に出てくるな!」 (同時に驚く3名。ランファン、各者へ訴えるように) ランファン ああっ、血生ぐさ!こんなんもうやってられへんわぁ!       なあ、どうせ統治するんならもっと平和的なやり方のにせえへん? リツキナレ 「ランファン様は神王だけの1:1の勝負を提案します。   しかし勝負の内容は、剣や知略など一切関係なさそうなものばかり        優勝した者には、何でも一つ願い事を叶えてもらえるそうですが…」 【SE:紙のかさつく音】 (対戦表を見るリツキ)          リツキナレ 「…あら、ランファン様?この対戦表、私の名前も載っていますよ           でも・・・何でも一つ叶う願い事・・・・・」 (思案、何か思いついた笑み) リツキナレ 「なるほど、面白そうです」 (元気に) ランファン「よし、じゃあいきますでぇ〜」 【マイクエコー入り】 ランファン「ヴァジアルサーガ世界一決定戦!開幕やー!」 神王達のアドリブフェードアウト・ざわめきをフェードイン。少し時間を空けてから、ざわつくような音 【BGM:エントリーイメージ】 ランファン「さあ、やって参りましたヴァジアルサーガ世界一決定戦。       今回は勢力の大きくなった3つの国のエントリー、月人からはリツキの参加       芝の2000メートルや〜」 デフィス 「今にも出走しそうな出だしだな…」 ランファン「一番人気は何と言っても京核の女帝アイヒミはん       続く二番人気は女の子の指示を集めるソウリュウはん       落ち着いた淑女のリツキが三番と続きまして ・・・デフィスはん、もうおってもおらんでも変わらんのとちゃうか」 デフィス 「おいっ!」 リツキ  「まあまあお二方、そろそろ第一戦が始まりますよ。 どうやらソウリュウ様とアイヒミ様の対戦のようですね」 【BGM:バトル(統一・勝負時)】 解説席と離れた位置の試合会場。 (ソウリュウ、アイヒミ、お互い見下すように余裕ぶって) ソウリュウ「…フン、東の姫巫女ごとき俺の敵ではない」 アイヒミ 「そんな余裕も今の内じゃ、ほえ面かくでないぞ?西の優男めが」 (ランファン、心底楽しそうに) ランファン「良い具合に殺気立っとるな〜、ほな、そろそろお題発表しまっせ。        アイヒミ対ソウリュウ、種目は…借り物競走やー!!」 ソウリュウ、アイヒミ「な、何ィイイイイ!!?」 (真剣に、何処か間抜けて) ソウリュウ「か、借り物競走とは、何だ」 アイヒミ 「東方に伝わる、紙に書いてあるものを手にしてやっとゴール出来る競技じゃ。       書いてある内容によっては永遠に終わる事も出来ぬという魔性のスポーツ…」 【SE/開始音(統一)】 アイヒミ 「え!?もう開始!? ああっ、まっ、まだ準備も出来てないのに!       ああ、くそっ!あやつもうあんな所にっ。       ソウリュウ、わらわを置いていくでなーい!!」  (走るソウリュウ、アイヒミ) ランファン「アイヒミはん出遅れた、ソウリュウはんをおいかける!       早い、早いでぇ。あっという間にソウリュウはんにおいつき       一緒に指示の入った紙をー…取った!」 ソウリュウ「要するに、物を探して走れば良いんだろう。        難しく考える部分など何処にも・・・・」 【SE:紙のかさつく音】 (指示紙をあけて驚くソウリュウ) ソウリュウ「これはっ・・・!」 【SE:走る音、フェードアウト】 リツキ  「ソウリュウ様、凄い勢いで会場の外へ走って…何処まで行くのでしょう?       あら、今度はアイヒミ様が紙を手に」 アイヒミ 「誰じゃ・・・       誰じゃ「聖女エルナの心」なんて紙を混ぜた阿呆はーっっ!!」 リツキ  「聖女エルナ様とは?」 ランファン「礼儒っていう国の女部将や。       可愛いんやけどなかなか他の国に仕官せえへんから焦れったがってる神王も多いって聞くで」 アイヒミ 「もっとパッとサッと借りて来られるものを出してこんか!       わらわに人生のゴールインまでさせる気か!」 リツキ  「大丈夫、愛の形は人それぞれですから。 あ、ウェディングドレスは2着で宜しいですか?」 アイヒミ 「わらわは白無垢が良いのう・・・ってそうじゃなーい!!       …ったく、恐らくソウリュウも無理難題を押しつけられたんじゃろうな。       さてどうしたものか…」      【SE/走る音。ソウリュウの笑い声と共にフェードイン】 (走って帰ってきた、息荒く) ソウリュウ「くっくっく、ふはははは!甘いな、アイヒミ!!」 アイヒミ 「な、何っ!?・・・ソウリュウ、その後ろにぞろぞろつれているのは・・・子供?」 (ソウリュウの周りには子供が何人も。その数10人。アドリブ) 子供1  「きゃぁ、ふふっ」 子供2  「かけっこー、おじちゃんとかけっこー」 (アイヒミに聞こえないように小声で子供へ) ソウリュウ「こら、帽子の尻尾ひっぱるんじゃない…!おじちゃんのおてて握って、ほら、もう」 (おねえ口調、もしくはおばちゃんのように) 子供1  「このおばちゃん けしょう こいよぉ」 アイヒミ 「おばっ・・・・・〜!」 (ショック、暫し言葉を失った後、多少声裏返り気味に幼児へ反論) アイヒミ 「今日はまだ薄い方じゃ!!       ソウリュウ!!この失礼な幼児共は一体何なのだ!!」 ソウリュウ「これが俺の借り物だ。       このソウリュウいかなる借り物であろうと持って来れぬものなどないわ! とうっ!」 (ソウリュウ、10人の子孫達と共にゴールへ走る) 【SE:歓声、ドラ終了音】 ランファン「さながら10人11脚、横一列に並んだ龍戒の子供達と王様が全力疾走!       お。2、3人ゴールと反対方向に走る子供もおります。ソウリュウはん これを抱っこで連れ戻す!       ゴォオオオル!       子供達に囲まれた冷酷な神王 なんてレアなもんが堂々テープを切りました!」 リツキ  「良い笑顔してますね」 ランファン「ほんまですねえ。・・・ん?」 (後方、臨時ニュース宜しく紙を受け取り) 【SE:紙のかさつく音】 ランファン「因みにソウリュウはんの借り物はなんと「自分の国で生まれた子孫10人」だったらしいわぁ。       頑張りましたなぁ、子作り」 リツキ  「作りすぎです」 アイヒミ 「自分の国まで戻って連れてきたというのか…よくやるわ」 ランファン「これでソウリュウはんは決勝へと駒を進めます。 さて、次の勝負はデフィスとリツキかぁ。       御題は・・・・そうやな。噛んだら負けよ、の早口勝負でどうや!       交互に早口言葉を言いあって、言えなかった方が負け。お手つきは2回まで。       隣の客はよく柿食う客だ、隣の客はよく柿食う客だ隣の客はよく柿食う客だ! うーん、難しい。         リツキ、デフィスはん、用意はええか?」 デフィス 「・・・よし、こい!」 リツキ  「ふふ、お手柔らかにお願いしますね」 【SE/ドラ・開始音】 以下は早口の言い合いになります。 この早口言葉、など限定していませんので流れがそのままならワードのカスタマイズは自由です。 間違い方も自由に変えてくださって構いません。 (リツキは淡々と余裕を持って、デフィスは元気と勢い良く) デフィス 「スモモも桃も桃のうち 桃もスモモももものうち、はい!」 リツキ  「スモモも桃も桃のうち 桃もスモモももものうち       ブスバスガイド バスガス爆発」 デフィス 「ブスバスガイド バスガス爆発!燃えて来たぜっ       竹屋の竹薮に竹立てかけたのは竹立てかけたかったから,竹立てかけた 」 リツキ  「竹屋の竹薮に竹立てかけたのは竹立てかけたかったから,竹立てかけた         ・・・ふふ、やりますね。では、こんなものはいかがです?  生麦生米生卵」 デフィス 「なんだ。そんな程度。  生麦生米なまたみゃっ・・・・・・」 リツキ  「・・・あら、いかがいたしましたデフィス様?1回お手つきですよ」 デフィス 「い、いや。おかしいな。生麦生米なまたみゃっ・・・・・・!」 (リツキ、邪な含みのある笑顔で) リツキ  「もう あとがありませんね、デフィス様」 デフィス 「く、くそっ!にゃまむぎにゃまごめにゃまたまごっ・・・・!!        舌がいてぇええ!!」 (デフィス、早口が言えず途中で舌を噛む。ごろごろと悶えまわる) 【SE/ドラ・終了音】 ランファン「終了ー!! 勝者リツキー!!」 リツキ  「ありがとうございます」 (バックにあたふたする外野、アドリブ。  制作陣参加) 外野1  「デフィス様が泡を吹き始めたぞ!医者を呼べェエエ!」 外野2  「し、しっかりして下さいデフィス様〜!!」 デフィス 「にゃまにゃま・・・にゃまにゃまも・・・・・にゃま・・・」      (フェードアウト) アイヒミ 「氷虎デフィス、早口言葉に倒れる か・・・       しかしこれで残るは決勝のみじゃ。        勝ち残ったのは・・・」 (ソウリュウ、少々戸惑い気味に) ソウリュウ「・・・・俺と、リツキか?」 リツキ  「計らずも、主従対決となりますね。宜しくお願い致します・・・・ソウリュウ様」 ソウリュウ「あ、ああ。俺が勝つ事は目に見えているがな」 リツキ  「ふふ、そうですか?」 ランファン「それじゃあお二方、準備をどうぞぉ。       なあアイヒミはん、決勝の御題まだ決めてへんねんけど、どないしよ?」 アイヒミ 「おいおい。・・・しかし、そうじゃな・・・       しりとり勝負など、どうじゃ?」 ランファン「おおお、可愛い事言いますなぁ」 (照れるアイヒミ) アイヒミ 「だ、黙れっ!・・・あ奴らは神王とその月人じゃ。       まして平和的な勝負を御題にするならこれ位が丁度良かろうて」 ランファン「よっしゃ。リツキ対ソウリュウはソウリュウ先攻のしりとり勝負でファイナルアンサーや!       濁音や半濁音で終わった場合、清音に直して続けてもかまわんし 逆もOKやでー。        ほな最終戦レディ・・・・ゴー!!」 【SE:歓声】 (真剣で段々余裕の無くなっていくソウリュウ 対して穏やか、始終のんびりマイペースのリツキ) ソウリュウ「りんご。」 リツキ  「ゴリラ」 アイヒミ 「平和だな」 ランファン「平和やなぁ」 ソウリュウ「ラ、ら・・・・」 (解説席を眺め、ランファンと目が合い) ランファン「・・・ん、うち?」 ソウリュウ「ランファン!」 ランファン「はいな! あ。ンがついた」 (適当に鼻歌を歌いながらごまかし) ソウリュウ「ン!ンン〜…って目が細すぎて開いてるか閉じてるのか分かんないよね。 「ね」だ!」 ランファン「細目やない、いつも笑顔なだけやねん。…ソウリュウはんのこれ、ギリギリセーフ・・・になるん?」 アイヒミ 「ダメだと言って聞く男でもなかろう。あとはリツキがどうでるかじゃが・・・」 ※しりとり会話になります。 分かり易いよう、しりとりに組み込まれている前後の一文字を強調するようにお願いします。 リツキ  「ね・・・・ね、ですね。『寝起き いと悪し』 ・・・はい、『し』ですよ」 ソウリュウ「・・・・む? うむ、『し』か・・・・・・・司啓(しけい)! 『い』だぞ」 リツキ  「ふふ。『勢いがあるのは良い事ですがもう少し考えて行動して欲しいな』        ・・・『な』です」 ソウリュウ「・・・・・・ま、まて。それは俺の事か…?な にをいう、俺はいつでも冷静だ ぞ」 (ソウリュウ、「〜俺の事か」までは呟きで) リツキ  「そうやって強がって、最後は結局熱くなってしまうではないですか。       こないだ鬼神シャラ様とどっちの二つ名がカッコイイかで口喧嘩になったとききました」 ソウリュウ「だっ、だれからきいたそんなこと!」 リツキ  「どなたからでも良いでしょう?あれほど他国と仲良くしなくちゃダメですと言ったのに。       お説教です、ソウリュウさ ま」 ランファン「・・・なあ、これしりとりなん?」 アイヒミ 「一応始まりと終わりの言葉は続いておるようだぞ」 -------------------------------------- こんな感じです。 あとは、本編でお楽しみください^^ http://www.studiogiw.com/vd/ ============================ 2007.4.27 <Vol.1 制作スタッフ> 【脚本】鈴丘虎助 【イラスト】冬式未来 【サウンド&編集】しゃな 【監修】飛鷹棗&コミックヴェリスチーム 【原作・企画・プロデュース】StudioGIW(スタジオギウ)/ M.Sekiya  http://www.studiogiw.com/ <制作協力> (株)ぷろだくしょんバオバブ ============================